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アメリカ合衆国リーダーの政策がタイ経済に与える影響を分析する

アメリカ合衆国第46代大統領ジョー・バイデン氏の就任式が無事終了した。就任前はジョー・バイデン氏を新大統領とする議会を妨害する暴動があったが、全世界においては将来起こるであろう状況に焦点を当てて対応をしている。これまでのドナルド・トランプ前大統領は、同盟国による不利益な拘束が度を過ぎていると感じたため、アメリカファーストを選んだ結果、同盟国である中東での戦力維持においては中東側が費用を払わなければならないというような経済政策となった。またこれらの国際関係以外にも、最も話題になったのがアメリカ合衆国にとって赤字になる貿易にて関税を上げたことであり、例えば中国、韓国、インド、その他の国で上昇し、タイもその影響から逃れることはできなかった。また、外国に投資するアメリカ籍の企業でさえもが、アメリカに戻る際に法外な税金を課されたということである。

新しいアメリカ合衆国のリーダーとなる前のジョー・バイデン氏の政策を確認
  • 公共システムへの投資のために年間40万ドル以上の収入がある個人に課税するという高所得者への増税政策。
  • 最低賃金を本来の時給である7.25ドルから、時給15ドルに引き上げる。
  • 気候変動情勢に協力するため、アメリカ合衆国はパリ協定に復帰し、また世界保健機構(WHO)にも復帰する。
  • これまでにドナルド・トランプ氏が脱退したいくつかの協定または機関に、アメリカ合衆国を再参加させる。
これら3項目は製造面のほか、輸入や輸出を含め、タイもしくはASEANへの投資にて、世界経済システムに大きな影響を与えるとみなされる。

アメリカ合衆国の政策がタイに与える影響

上記の政策は、アメリカ合衆国と取引があるタイの民間部門にとって長所と短所があり、GSP(一般特恵関税制度)の権利剥奪または人権の法律に関しての税金引き上げの圧力問題が起きないよう、調整と改善をしなければならない。これらのビジネスには次のようなものがある。

  • プラスの影響を受けるビジネス
ジョー・バイデン氏の方針から利益を得ることが期待されるビジネスは、最低賃金を100%まで引き上げる方針の影響を受けることとなる製造と投資であり、時給7.25ドルから時給15ドルというという倍以上の賃金の引上げは、アメリカ合衆国の製品製造コストの急激な上昇という状況を生み出すため、各種ビジネスを再考し、低賃金の新しい投資先を探すことになると推測される。その一方で、投資家は製造に必要な技術と材料を大量に備えなければならないため、アメリカ合衆国などの海外の投資家が注目するのは開発途上国ということになる。すなわちこの時点で成長を続けているASEANの国、タイでは鉄道システムと輸送の改良を行い、EEC(東部経済回廊)等の工業団地を開発しているため、これらの場所に投資する海外投資家への優遇措置が行われている。

アメリカ合衆国のパリ協定復帰により起こることは、電気自動車またはEVの製造となるため、各自動車会社はガソリン車の製造を中止してEV車の製造に向かうことになる。タイもまた、ASEANの中では他の国に引けを取らない能力があり、輸出車の拠点でもある。これ以外にも、輸送能力の向上と時間節約のため、ドーンムアン、スワナプーム、ウタパオの3か所の空港を結ぶ高速鉄道システムが開発中である。

  • マイナスの影響を受けるビジネス
アメリカ合衆国新大統領による主要な政策の一つは、天然資源の使用の削減を推進し、再生可能エネルギーへの依存度を高めることである。パリ協定に復帰することの重要性は、2050年までにアメリカ合衆国の汚染をなくすという目標であり、世界の気候情勢と環境への影響を減らさなければならないと表明することである。そして石油と自然ガスの掘削地域を制限するという目標は、石油業界、石炭生産業者、関連ビジネスなどが影響を受けることになる。それにより世界の原油価額が下がることになるため、運送ビジネスでの燃料コストの低下は良い結果となり、クリーンエネルギービジネスまたはその装置の製造や設置ビジネスは報われることとなる。
もう一つ注目すべきは、人身売買となる労働者を使うビジネスである。もしタイが違法労働を継続し、労働者に公正な権利を与えない場合、GSPの権利が格下げまたは剥奪される可能性がある。例えば漁業の面では、3-4年前ににアメリカ合衆国とヨーロッパでタイの海産物が禁止されたことにより、漁業ビジネスが停止するという影響を受け、巨額の損失を被った。状況の整理と改善を行い、これまでのような貿易の再開を望むが、税制とその他の特別措置はまだ元通りにはなっていない。

強みと長所を強調して投資面の機会に答える

ASEAN地域でのタイの強みは、特にCLMV地域(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の中心であるということである。もし輸送時間の削減ができる輸送システムができ、CLMV諸国に製品輸送できる製品倉庫ができるならば、タイに工場を建設する製造者のコスト削減に役立ち、CLMV諸国への輸送も容易になる。

タイが上記の国への輸送の中心であるには、販売者が品質を有する商品を得て、良い価格で売れるよう、冷凍室の開発または長期間にわたり本来の品質で商品を新鮮に保つ方法が必要となる。
医療と看護の面では、タイは世界中から、アジアにおいて優れた医療システムと看護システムを有する医療の中心であると認められている。これは優秀な医師と看護師がいる以外にも、外国に比べて医療費が安いという点が挙げられる。そのため、外国からも数多くの人々が医療サービスを受けに来ている。

タイでの投資についてのアメリカ合衆国の政策の要約

  アメリカ合衆国新大統領の政策をしっかりと受け止めた後、民間企業は自身の地域にある商工会議所にて投資に関する動きのニュースを追いかけるか、将来発生することとなる製造を受け入れるための新技術を開発し、投資にて流入する資金の受入れを準備するべきである。例えば労働者がやるべき仕事の代わりをする産業用のロボットの開発は、製造の問題にて役立つだけでなく、物の移送など、輸送とロジスティックの面でも役立つからである。また、冷凍室の改良と調整は商品を長持ちさせることができる。これまで、商品を輸出できないことによるビジネスへの影響と損害は大きかった。これらの輸出していた商品は品質が悪く新鮮ではないため、良い価格で売ることができなかった。そして、人事面での能力の開発は将来に発生する製造とサービスに応えることができる。特に英語でのコミュニケーションは、その他の商品製造を含めてもタイ人の弱点といえる。アメリカ合衆国の規則のもとでは、基本的に必要性に従い、確実な製造の可能性が検討されなければならない。国の経済が改善した際には、国民の収入が増え、生活水準も上がることから、タイでは必ずやビジネスが成長を遂げ、関係するすべての人が良い発展へと向かっていくだろう。